競泳からパラトライアスロンへ転向した2013年より数々の優勝・好成績を収め、通常のトライアスロン競技大会においても健闘するなど、その能力は日々驚異的に伸び続けています。
そんな秦選手ですが、義足での生活を余儀なくされて以来、スポーツとは全く無縁の生活を送っていたといいます。幼少時に経験し、唯一好きな運動であった水泳をまたやってみようと思い、地元チーム「千葉ミラクルズSC」に自ら応募したのは2007年、社会人になった後のことです。練習に打ち込み大会出場を重ね、ついに2010年には競泳の強化指定選手に選出されるまでになりました。
さらにその後、多くのパラリンピアンも所属する障がい者陸上競技チーム「ヘルスエンジェルス」の練習にも参加するようになります。13歳で足を失くした秦選手は、それから約18年もの間走ったことがなく、初めは早歩きから、そして恐る恐る走り出すと、地面を蹴った反発が義足を通じて身体に伝わり、全身が宙に浮いた瞬間の感動は今でも忘れられないそうです。
未知の世界への好奇心からトライアスロン競技へと惹かれた秦選手は、現在「稲毛インター」に所属し、2013年より競技大会へ参加。2014年にはJTU(日本トライアスロン連合)パラトライアスロン強化指定選手 A指定を受け、2015年より海外大会へも積極的に出場し、パラトライアスリートとしての経験を積んでいます。